岩手県 洋野町立角浜小学校

みんなで支えるアットホームな図書館活動

所在地:〒028-7911 九戸郡洋野町種市43-101-10

電話 :0191-65-4622
設立 :明治10年11月(1877年)
児童数:39名 学級数:4学級 教職員数:11名 
学校司書:なし

教育目標

・徳  (心豊かに思いやりのある子)
・知  (進んで学び考える子)
・体  (健康でたくましい子)
お話をいただいた副校長先生(右)と阿部先生(左)

図書館基本情報

特徴

「支える人たち」「資料」「図書館の環境」

創立が明治10年11月。やっと明治政府の教育政策が動き出したころ。県内でも屈指の歴史のある小学校。(当時は尋常小学校と呼ばれていた。)

図書室は二室。主に読書や読み聞かせで使用する「図書室」と調べ学習で使用する「第二図書室」がある。二つの図書室に接する廊下には、おすすめ本の掲示をしている。

先生の指導のもと、子供たち全員が協力して図書活動を行っている。子供たち自らが選書しての読み聞かせ(全校児童必ず一回以上は行っているとのこと)、先生も読み聞かせ、地域ボランティアも読み聞かせ、など全員参加で一体感があり学校司書が配属されていないことを相互協力でカバーしている。

地元の角浜漁協からの寄付金で、特設コーナを開設。名付けて「角小39セレクション」。「39」は総児童数であり、「いわ100きっず」から子供たちが気に入った本を選び、そしてその書評をつけて他の子供たちに紹介している。(「いわ100きっず」は岩手県教育委委員会が学校向けに選定したおすすめ本100選をさす。)地元の漁協からの応援、ありがたいことである。

図書はバーコード化され、貸出、返却はパソコンで子供たちが運営。さまざまな場面で子供たちの自主的な活動が見て取れる。

蔵書数はおおよそ4,000冊であるが、絵本の割合が多い。下級生への読み聞かせで多く活用されているためと推測される。また、子供たちが興味を抱くタイトルの図書が多く配架されているようにも感じる。先生が子供たちに読んでほしい本との量的なバランスに配慮している。

公共図書館との連携は移動図書館「テトラパック号」を活用。年7回、学級で20~40冊利用しているとのことであり、実質的な蔵書の充実を図っている。

図書室紹介

子供たちの集いの場「第一図書室」と調べ学習の場「第二図書室」

図書室。子供たちがリラックスできるようソファーを配置している。図書ホール。子供たちがリラックスできるようソファーを配置している。
第二図書室。調べ学習で使用される資料が配架されている。
二つの図書室の間にあるおすすめ本の掲示コーナー。講演された。
「角小39セレクション」コーナー
選書も書評もすべて子供たちで行っている。
図書委員による「読み聞かせ」
ソファーの周りに集まってアットホームな様子であるが
みんな真剣なまなざし。     
図書室は子供たち主体で運営。
貸出、返却をパソコンで処理。
郷土教育に使用されている副読本「わたしたちの洋野」
平成27年3月に改訂された最新号  

角浜小学校からのお勧め本

No 図書名 著作者 レコメンド 主な対象学年
1せかいいち大きなおうちレオ・レオニさし絵がすばらしいし、幸せについて子どもから大人まで考えることができる。1年生
2ふたりはいっしょアーノルド・ローベルがまくんとかえるくんのほのぼのとしたエピソードが2年の児童にぴったり。
ぜひシリーズで読ませたい。
2年生
3今日からあなたの盲導犬田野多香子「盲導犬のくんれん」の授業のあと、ぜひ読ませたい。3年生
4点字のひみつ黒崎恵津子点字についてもっと知りたくなったときに調べやすく、読みやすい。4年生
5和菓子の本中山圭子和菓子についての説明やイラストが分かりやすく書いてあり、授業で使いやすい。5年生
6すごい自然図鑑石田秀輝ネイチャーテクノロジーの事例がたくさんのっている。調べ学習に最適である。6年生

取材後記

筆者の小学校は山間の小さな学校で、低学年は複式学級であった。(すでに閉校しているが。)複式学級では「本」の使い方が先生のノウハウ。一年生に本を読ませている間に二年生には書き取り。スイッチングしながら二つの授業を両立させている授業風景があった。(角浜小学校も低学年、高学年が27年度は複式学級。)がんばれ角小!!
取材当日は盛岡から移動したが、八戸からすでに高速道が整備済み。駅から車で30分で到着。盛岡の目で県内を見ていると、地域の移り変わりを見逃しがちになる。(菅原)

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