岩手県 北上市立黒沢尻西小学校

読書運動の推進により子どもたちの成長を実感

所在地:〒024-0093 岩手県北上市本石町1-6-71
電話 :0197-63-3266
設立 :明治6年5月
児童数:420名 学級数 17学級   教職員数 35名
学校司書:1名(平成28年3月2日現在)

教育目標

より高く:理想を掲げ自ら向上に努める子ども
より美しく:人間と自然を愛し情操豊かで品性のある子ども
よりたくましく:心身ともに健康でたくましい行動力のある子ども

お話をいただいた髙橋副校長(当時)(左)と図書担当教諭の金澤先生

図書館基本情報

特徴

学校の教育方針について

・読書を学校経営の重点に。
教育目標の「より美しく」を具現化する一つの方法として平成27年度は「読書の習慣化」を重点にしている。特に学校と家庭での読書の進め方の工夫や読後の感想等の表現を大事にした取り組みを行っている。

支える人たち

図書担当教諭

調べ学習など授業でも図書館を利用しやすいように、授業時間は図書担当教諭がフリーに対応できるような体制と し、「週末図書カード」の取り組みや各学年に読書コーナーを設けた並行読書への取り組みなど、学校図書館をフルに活用するための企画活動を行っている。

図書ボランティア

「ちょきちょき隊」と「よむよむ隊」があり、それぞれ図書室内の装飾や本の修繕と読み聞かせ等を行っている。
図書ボランティアミーティングも行われ、活動内容や年間計画を確認するなど組織活動として定着している。

他団体

市教育委員会に図書整理指導員がおり、技術的な支援を仰ぎながら図書ボランティアの方々と一緒の活動も行っている。図書整理指導員に頼るのではなく”支援”をいただきながらも学校の取り組みとして自立した活動を行っている。

資料

  • 蔵書数は8,568冊と図書標準冊数には僅かに及ばないものの市立図書館が徒歩圏内にあることもあり必要な場合はすぐに借用可能な環境にある。また、一人あたり年間40冊弱の貸出であるが、並行読書用として各学年棟にも本を置いているため、実際はさらに多いと思われる。
  • 岩手県教育委員会が選書した「いわ100きっず」に掲載されている本を取り揃えている。

図書室の環境

  • 低学年向けに絵本を置いた図書室と全校用の図書室の2つがある。
  • 図書室は入口付近に新しい本のコーナーがあり面陳列されている。
  • 壁面は図書ボランティアの手により季節に合わせた装飾が施されておりリラックスできる空間になっている。
  • 各学年棟にも本が配架されており、平行読書の為の環境が整っている。
  • 廊下には図書委員会が作成した本の紹介コーナーや週末読書の紹介カード等が掲示されている。

図書室紹介

新しい本コーナー
この日は3.11に関する本が新刊本として並べられていた。
低学年向けコーナー
座って絵本が読めるようになっている。部屋の大きさが広すぎずほど良い。

各学年用読書コーナー
各学年にあった本が選書されている。

掲示板
図書委員会が作成した掲示物。おすすめの本に一言が添えられている
お昼休み
児童が本を探しにやってくる。

黒沢尻西小学校からのお勧め本

No 図書名 著作者 レコメンド 主な対象学年
1みつけた!がっこうのまわりのいきもの須田 研司(監修)身の回りにいる生きものを調べるのに活用するのに便利。1年生
2すみれちゃん石井 睦美すみれちゃんの人物像を具体的に捉えるために教科書と合わせて読みたい本。2年生
3身近な食べもののひみつ
すがたをかえる
幕内 秀夫
神 みよ子(監修)
どんなくふうがされて、どんな食品にすがたをかえるのか調べるのに役立つ。3年生
4ごみはいかせる!へらせる!
毎日のごみは資源になる
寄本 勝美(監修)リサイクルについて調べるのにぜひ活用したい一冊。4年生
5面白くて役に立つ子どもの伝記
宮沢賢治
西本 鶏介誰もが知っている宮沢賢治の生涯について、分かりやすく、読みやすい本。5年生
6銀河鉄道の夜宮沢 賢治賢治作品の並行読書にはぜひ位置付けたい一冊。6年生

取材後記

教育方針の中で「読書」を重点にして1年ほど経ったとのことだが、効果は見られているという。それまでは読んでも感想をもてない、読み取れないといった課題があったが、最近では進んで読書をし、感想をもてるようになってきたとのこと。
わずか1年で効果が見られるとあれば「読書」を重点とした活動に勢いがつくというもの。今後の活動にも期待したい。
さらに今回は、読み聞かせにも参加させて頂いた。
“読み聞かせ”という言葉のイメージから一方的に本を読んで聞かせている姿をイメージしていたが、子どもたちとの掛け合いもあり、見ているこちらもつい惹きこまれてしまう程であった。
このような活動をボランティアで行っている方々に改めて感服するとともに「学校図書館は地域とともにある」ということを再認識した取材だった。(神林)

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