地域とつながる図書館フォーラム in 紫波(2020年2月2日)開催報告
地域で支え合う学校図書館の全国事例/地域とつながる公共図書館
このたび、紫波町図書館様と共催し、岩手県内図書館同士の交流や講演・情報提供を通して県内図書館の運営に寄与していきたいとの思いより、「地域で支え合う学校図書館の全国事例/地域とつながる公共図書館」をテーマにイベントを開催致しました。
会場・イベント内容について
会場となったオガールプラザは、図書館、産直マルシェ、子育て応援センター、カフェ、貸スタジオ、ホテルやバレーボール専用体育館、バーベキュー施設と沢山の施設が一体となっており、年間で100万人が訪れる場所となっています。
フォーラムでは、2019年に米国ワシントンD.C.で開催されたALA年次大会に参加した紫波町図書館の主任司書手塚氏による講演の他、図書館サービス向上委員会の委員と手塚氏をパネリストとして、地域における図書館の可能性について、「地域で支え合う学校図書館の全国事例」「地域とつながる公共図書館」をサブテーマにディスカッションを行いました。その時の模様をお届けいたします。



プログラム
12:30~13:30 受付
13:00~13:05 開会のご挨拶
13:05~14:25 パネルディスカッション 第一部
14:25~14:35 休憩
14:35~15:05 講演
15:05~16:25 パネルディスカッション 第二部
16:25~16:30 閉会のご挨拶
17:30~19:30 懇親会
パネルディスカッション第一部
テーマ:地域で支え合う学校図書館の全国事例 ~日本トップクラスの学校図書館(東成瀬・白山)を中心として~
◇コーディネーター:山崎博樹 氏(図書館サービス向上委員会委員長)
◇パネリスト:神代浩 氏(量子科学技術研究開発機構監事)、中山美由紀 氏(立教大学兼任講師)、桂まに子 氏(京都女子大学講師)
学校図書館の現状、先進事例、学校図書館支援センターの先進事例をもとにパネルディスカッションが行われました。
子供たちの読書推進や自律的な学びの手助けのために、図書館が主体となり、生徒と地域住民が一体となったイベントを開催したり、情報発信を行うといった先進的事例が紹介された後、後半では学校図書館の整備が進まない現状が取り上げられた他、課題解決のためにテーマ展示や調べ学習支援といった学校図書館でのアプローチが紹介されました。



講演
米国図書館協会(ALA)年次大会2019ジャパンセッション報告
◇発表者:手塚美希 氏(紫波町図書館 主任司書)
2019年に米国ワシントンD.C.で開催された、米国図書館協会(ALA)年次大会において、日本の公共図書館事例発表を行った紫波町図書館の主任司書手塚氏より、セッションの模様について講演がありました。
セッションは「日本の図書館:革新的なアイディアで図書館を変革する―日本の公共図書館は、よりよいコミュニティの構築にいかに参画しているか(Japan Libraries: Transforming Libraries with Innovative Ideas – How Japanese Public Libraries Engage in Building Better Communities)」と題して、「鳥取県立図書館の健康・医療サービス」「広島市立中央図書館のビジネス支援サービス」「岩手県紫波町の司書が町の情報ハブとなる図書館づくり」の3つの事例発表が行われたそうです。発表までの様子が映像と共に紹介された他、手塚氏が米国図書館を視察して感じた日本との運営の違い等が紹介されました。



パネルディスカッション第二部
テーマ:地域とつながる公共図書館
◇コーディネーター:伊東直登 氏(松本大学図書館長)
◇パネリスト:永利和則 氏(福岡女子短期大学特任教授)、小林隆志 氏(鳥取県立図書館支援協力課長)、新谷良文 氏(北広島市図書館長)、手塚美希 氏(紫波町図書館 主任司書)
パネルディスカッション第一部で紹介された学校図書館の事例に加えて、
①北広島市図書館の市民ボランティアと協力した図書館運営
②小郡市立図書館の小・中・高校連携
③紫波町図書館の地域の議題に即した企画展示とイベント
④鳥取県立図書館のビジネス支援・機関への働きかけ
と、地域連携をしている公共図書館の事例が紹介されました。後半のディスカッションでは、多くの公共図書館が地域と向かい合い、様々な取り組みを行っているなか、図書館職員が固定概念を捨て、課題解決型の図書館として住民と向き合っていく重要性が語られました。


