宮城県 宮城県松山高等学校

高校の経営を支え、生徒と教員と共に歩むアットホームな学校図書館

(2020年2月15日取材)

学校紹介

所在地:〒987-1304 宮城県大崎市松山千石字松山1-1
電話:0229-55-2313/FAX:0229-55-2314
E-mail:matuyama-h【★】od.myswan.ed.jp
(【★】を@に替えてください)
HP:https://matuyama-h.myswan.ed.jp/

伊達家家来の茂庭家の館・松山城跡に所在する。
昭和7(1932)年に志田郡松山町立の女子専修学校としてスタート。戦後、宮城県立の古川女子高等学校松山分校となり、昭和55(1980)年に宮城県松山高等学校として独立、開校。男女共学、普通科と家政科を設置して現在に至る。
普通科と家政科が、それぞれ学年に1学級。全校6学級。男子35名、女子139名。合計174人が学ぶ。(2019年度要覧)

「子どもの読書活動優秀実践校」として2008年と2019年の2回、文部科学大臣から表彰されている。

松山高校が目指すもの

1.「学」「創」「共」 ・・・ 小規模校の挑戦
2. 地域に貢献できる人材の育成と学校づくり ・・・ 地域連携強化
3. 家政科の発展・充実 ・・・ 専門学科の誇り

 Plain Living High Thinking ~地道な実践、高い理想~

取材にご協力いただいた方

(左から)徳能 順子 校長先生、大場 真紀 司書

学校長インタビュー

徳能順子校長先生は、以前、この松山高等学校の家庭科教員として勤務され、2018年4月に校長として再び松山高等学校に赴任された。行政職として、子ども総合センターで不登校児の支援、県の教育委員会、中学校教頭、全国高校総文祭担当など12年を経て戻ってこられた。学校への愛着はひとしおとうかがえた。

――松山高等学校の特色は?

家政科と普通科がありまして、家政科は2年生から被服コース、調理コース、保育コースと3コースの専攻に分かれ、目的を持って入って来る活発な子が多いです。家政科は1学級30人を超えますが、普通科の学級は30人未満。普通科はそれまで中学校では比較的目立たない子たちが、高校デビューをして元気になっていきます。自分たちで役割を引き受けないと物事が進まないので、次第に積極的になり、生徒会の役員にもチャレンジしていきます。元気な家政科の影響もうけてか、3年間でしっかり成長していきます。
小人数のよさですね。ひとりひとりに目が行き届きます。小さい学校なのでみんなでまとまりをもってやっていけます。学校図書館もとても小さな図書館ですが、とても大きな役割を果たしてくれています。
就職と進学がほぼ半々、若干就職の方が多いです。学校を中心に半径20キロ圏内から通ってくる子が多く地域を担っていく人材です。もともと町立学校だったこともあって、地元に密着、町民から愛されてきた高校です。

――地域とはどのような関わりがあるのですか?

本校では、毎年2月に「家庭科発表会」を行っています。普通科・家政科ともに、家庭科で学習してきたことの成果を発表する、文化祭に次ぐ大きな行事です。赤じゅうたんのランウェイを校内で作って、ファッションショーを行うのは本校の伝統です。家政科の被服コースの3年生が卒業制作として、ウェディングドレスを作ります。

宮城県松山高等学校 ウエディングドレス

服飾専門学校の指導をされていた先生が何かお手伝いできることはありませんかと申し出てくださって、15年前から専門的なご指導をいただいています。県内でもレベルが高いんですよ。地域のお年寄りの会等にも依頼されてファッションショーを見てもらったりします。今日はその日なんですけどね。地域の方々にとても喜ばれています。

保育コースは松山子育て支援総合施設あおぞら園に年8回ほど出かけて保育実習を行います。県立高校になった40年前から続いています。調理コースは、塩竃市のかまぼこ店とコラボで商品開発に携わったり、地元松山のお祭りなどにも参加しています。

生徒たちは、事務室や校長室にも気軽にやってくる人懐っこさももっています。中学まで埋もれ気味だった生徒たちは、名前で自分を呼んでくれる大人がいて安心するんですね。保健委員や図書委員、生徒会までやっていくようになります。先生たちには、生徒たちをとにかく外へ連れていって(校外活動の機会を作って)下さい、とお願いしています。社会と関わり、違う人と接することで、日常の学校生活では見えない世界が見えてきます。また、町の人たちもそれを受け入れてくださっています。

ボランティア養成もしていて、社会福祉協議会の老人へのお弁当づくり、様々な祭りのボランティア活動などにも積極的に参加する生徒がいます。今年は、近隣の小学校高学年の児童たちが来校して、ミシンの実習の小高連携授業を行い、被服コースと保育コースの生徒たちが助手となってミシンかけのサポートをしました。調理コースの生徒たちは、豚汁を作って実習後の交流会で提供したりしました。部活動では、吹奏楽部が地元の中学校と合同練習会なども行っています。教えることで彼らも成長します。「地元を支える人材を育てよう」それが本校の教育の原点です。

学校図書館は「チーム松山」の一翼

概要

学校図書館は、生徒の昇降口を入ると正面右手すぐに入口があり、毎日出入りするたびに生徒たちは図書館発信の情報を目にすることになる。 取材時は 昇降口から階段壁面には、新着図書のほか「ブラインドサッカーがやってくる」「映画の本」「みんなで作った家庭科発表会」「ほっこりカフェ」案内など、図書館の展示掲示が大々的にしてあった。

図書館の蔵書は約11,000冊、校務分掌上は総務部。教員1名(全6学級なので司書教諭発令はない)と県職員として大場真紀司書が担当する。年間授業活用は67時間。蔵書は家政学分野を重点にした特徴を持つ。小規模ながら、生徒の学びと実態に合わせた精選された充実のコレクションであった。

書架サインは読みやすいUDフォントを使って大きく書かれ、ピクトグラムも併記になっている。カウンターには大きなカエル司書のぬいぐるみが出迎えて授業関連の本が展示され、季節のタペストリーが飾ってあった。東松島市の復興シンボル『おのくん』をはじめ、館内あちこちにぬいぐるみがあり、家庭科ご出身の校長先生の手づくりのペナントや動物のパペットもあった。集中して読みたいときに便利と読書補助具のリーデングトラッカーや白反射が気になる人向けのグリーンノートもさりげなく案内してあった。『はぁっていうゲーム』『短所を長所に変えたいやき』ほかボードゲームもいくつか用意してあり、以下に述べる生徒への様々なはたらきかけが工夫されているアットホームな居心地のよい図書館である。

1)「ほっこりカフェ」

2019年5月からスタートした。月に1回放課後の図書館で1時間、ボードゲームやお茶会を通してわいわいとコミュニケーションをとって楽しむ。オープンメンバーで、誰でもほっこり参加できる。毎回、20人くらいの参加がある。スクールソーシャルワーカー、養護教諭、心のケア支援員とともに発起人でもある大場司書も担当する。

校長:大場司書が、神奈川県立田奈高等学校の「ぴっかりカフェ」の本(松田ユリ子『学校図書館はカラフルな学びの場』ぺりかん社 2018)に付箋を貼って「ここ読んでください。」と持ち込んでくれました。〈図書館とカフェ〉という取り合わせは衝撃でした。図書館の在りようも変わってきている。子どもたちの交流の場、自分の生き方を形作ってくれる環境としてやってみようと受け入れました。本校では、外部の協力を仰がず自分たちで運営しています。

お茶を入れる、お茶を出す、おやつをみんなで分け合ってたべる、片付けをするなど、なんでもないことをこれまで身につける機会がなかった子たちにもやってもらいます。スクールソーシャルワーカーの勧めで、敢えて陶器の茶碗や茶器やガラスのコップを使っています。当たれば音がするし、落ちれば割れる。汚れたら洗えばいいし、ダメになったらまた買えばいい。「ごちそうさま」「ありがとう」が自然に言えるようになった子もいます。りんごの皮むきをできない子たちに教える子がいる、ご飯を炊く準備も手伝ってもらって、好きな具を選んでおにぎりづくりをする…、そのうち自分でおにぎり弁当を作って持ってくるようになった子も現れました。そんな変化こんな変化が子どもたちにみられたと、毎回終了後には担当者で振り返りもしています。

ソーシャルスキルトレーニングの場になっているのですね。わざわざその特別の時間を設けて、取り出し指導をしなくても、うちは図書館のカフェでやれているんですよ。特別な授業にすると特別な子の特別な時間になってしまいますが、場を図書館にするといつでも誰でも出入りできるようになりますね。

大場:生徒からは「誰が来てるの?」と聞かれたりします。「いろんな子が来てるよ。誰が来てもいいんだよ。」と答えると安心して参加する子もいるようです。途中で帰るのも自由です。時には、ゲームをみんなで楽しみます。カードゲームやオセロ、ジェンガなど、一人ではできないゲームをやっていきます。『はぁっていうゲーム』を見て、「これネットで見て、やってみたかったの!」と念願を叶えた(1人ではできない)という子もいました。アンケートを見ると「図書館が身近になった」「先生たちと話しができてよかった」「友だちができた」など、好評で子どもたちの変化が感じられました。コミュニケーション力をつけていく機会になっていると思います。

2)朝の読書から、NIE、ビブリオバトルへ

教育計画の重点目標に「全校朝の読書の徹底と図書館の積極的活用の工夫」を掲げ、毎朝SHR前の10分間、全校一斉に「朝の読書」を行っている。生徒の学習・生活全体の基盤となる活動として、2004年から続けている。2008年と2019年の2回、「子どもの読書活動優秀実践校」として文部科学大臣から表彰された。

校長:16年前の導入時、教員としてこの学校に居ました。「朝学習にしたほうがよい。本を読むはずがない。」という反対を押し切って、とにかくやってみようと始めたのですが、大変でした。まずは座らせるところから。次はただ本を広げているだけで読んでいない。でも続けるうちに10分間の静寂に耐えられなくなって、読んでみようかなという変化も出てきました。

しかし、ずっと順風満帆というわけではなかったです。朝の読書をある学年だけ学習の時間にしたいとか、他のことをさせたいというような危機は何回もあったようです。でも、そこを跳ね返してくれる教員もいたから続いています。朝の読書をするから図書館の大切さがわかるようにもなります。

大場:アンケートをとると、「漢字が読めるようになった」「以前より本を読むようになった」「物事をじっくりと考えられるようになった」など半数以上の生徒が「朝の読書」による自分の変化を成長として感じています。授業に入る前の静寂は、気持ちを整える貴重な時間になっているようです。
毎朝の「朝の読書」活動を活かして、コミュニケーション力のアップを図ろうとビブリオバトルを年に2~3回実施しています。

校長:朝の読書をしているから「読んでないからできない」とは言えないんですよ。誰かに自分の言葉で何かを語れる、コミュニケーションが取れる力をつけようというねらいです。全校一斉やホームルームなど、形態を変え、様子を見ながら実施している。昨年度は6月に全校一斉、学年クラスをミックスして行ったら1年生が10人逃走してしまいました(笑)。実施の時期が1年生には早かったかなとの反省を踏まえ、今年度は後半に、全校一斉ビブリオバトルにチャレンジしてもらう予定です。

大場:新聞を使ったNIEの活動として、「まわし読み新聞」「ことばのギフトカード」「つぶやきニュース」などの全校でできる活動を重ねて、自分の選んだものを自分の言葉で伝えて交流する機会を設けました。生徒は(紙媒体の)新聞を手にする機会が少なくなっています。NIEの活動をとおして、自然と新聞に触れ、目をとおすひとつの機会になります。こうしたNIEの活動では、新聞を通覧しながら自分が気に入った言葉や気になる記事を探していきます。それは、自分の内面と向き合うことや、メッセージを送る相手に想いを馳せるということにつながります。

校長:そこにわずかでも子どもの成長が見られることが何よりですし、教員にも司書にも成長に気付けるまなざしも必要です。貸し出し数などでは測れない図書館活動の可能性がそこにあります。

大場:生徒たちには自己肯定感を持ってもらいたいと思うのです。学校が”こんな風に生徒を育てたい、こんな教育をしたい”と頑張っている時に、学校図書館として何ができるのか。先生方から「こういう目的で活動したいが、読書活動で何かできることはないだろうか」と相談されることもあり、「学校の中の図書館」であることを実感しています。いろいろ試して失敗したら、またみんなで考えて改善していこうという気持ちで挑戦しているところです。

3)家政科の課題研究

家政科の3年生は、「課題研究」があり、1人1テーマを1年かけて探究する。
大場司書は、県立図書館在職中はレファレンス担当をしており、その時に学んだ様々なことを活かして、生徒たちに調べるスキルを伝えたいと言う。

大場:授業は、5人の先生の中に私が入り資料の支援を行う形になります。事前に担当の先生と打ち合わせをし、授業の初めの段階で、私から生徒へ「調べ方ガイダンス」を行います。初めの2~3カ月は主に図書を中心とした調べものを行っています。先生たちは百科事典等の参考図書で基本を調べるところから指導してくれます。同時進行で、どういうことを調べたいか、どのような資料を必要としているのかを知るために、学校司書が全員個別のレンファレンスを行います。生徒は、レファレンスインタビューを重ねるうちに、漠然としたテーマが頭の中で整理され、調べる意欲に繋がっていくようです。

およそのテーマが出てきたところで、一人ひとりの関心に合わせて、本人や教員のセレクトも含めた数冊の本の塊を作ります。(写真 右:氏名・バーコードを貼り付けた水色の仕切り板で、一人ひとりのストックをまとめている。)学校の蔵書で不足なものは大崎市図書館からの団体貸出を利用します。生徒たちはその数冊の本の塊からさらにテーマを絞ったり、関連テーマに移ったりして、自らの課題を見つけていきます。この段階までくると、生徒の質問の質が上がってきます。自分が調べたいテーマの範囲を広げたり絞ったりできるようになってくるのですね。教員からは豊富な資料やレファレンスのサポートは大変有難いと好評です。

4)大崎市図書館との連携、社会への窓口

大場:大崎市図書館の団体貸出しは点数の制限なしで利用できます。本来であれば、学校図書館の資料で充当できれなければならないのですが、現実的には難しい状況です。生徒の調べものに役に立った本や、毎年利用の多いテーマなどは、購入して蔵書の充実を図っています。

また、大崎管内の高校12校と大崎市図書館が連携し、大崎市図書館のティーンズフロアにて「連携展示」を行っています。大崎市図書館と地域の高校との窓口となっているのが本校です。今年度は、2019年6月末から2020年2月末までの予定で、12校が3週間のローテーションを組み、学校ごとに展示を行っています。松山高校の連携展示は9月に行いました。

全校生徒に「おすすめの本」のアンケートを実施し、生徒のコメントを基にポップを作成、本に添えて紹介をしたり、図書委員がオリジナルの栞を作成して、来館者に配布したりしました。その他、本校の読書活動や学校紹介等の写真等も併せて展示することで、図書館の利用者に生徒の学習活動の様子を伝えられるようにしました。展示作業は、図書委員の生徒が実際に図書館へ赴き、本の展示やブラックボード等の装飾等を行いました。生徒の活動の場面を校外に広げたことで、図書委員としての意識が向上したり、自信につながったように思います。

 その他、公共図書館等の催し物のチラシやポスターを学校図書館に置いて生徒が自由に持っていけるようにしています。オレンジ(認知症)カフェとか市内在住の漫画家の講演会とか。ある漫画が好きな生徒は、漫画家の講演会とワークショップに積極的に出かけて行って、サインをもらって、写真を撮ってきた子もいました。教職員から見れば、普段から控えめなその生徒が主体的に参加したことにまず驚きましたが、このような形で生徒の新たな一面を知り、成長を感じたという嬉しい事例になりました。

ティーンズのSOS・相談電話、心のケアなどのチラシやカードを関連テーマの書架に、そっと置いておくこともあります。減っていれば、ニーズがあるのかもしれない、自分で気づきがあったのかもしれないと思い、その先に進んでくれることを願ったりします。

小さな学校の小さな図書館だからこそ、気付けること、見守れることがあります。世の中はもっと広くて、いろいろなものの見方があることを、「学校図書館だからできる」こととして、いろんな選択肢やきっかけを用意していってあげたいと思います。

図書館からのおすすめの本

図書名レコメンド著者名出版社出版年ISBN
メシが食える大人になる!よのなかルールブック人生という名の大海原を、しなやかに生き抜いて!高濱正伸 監修
林ユミ 絵
日本図書センター2019年
1月
9784284204354
正しいパンツのたたみ方: 新しい家庭科勉強法テーマは「自立」。家庭科で、社会で生きていく力を身につけよう。南野忠晴岩波書店2011年
2月
9784005006748
こども六法「つらい」と感じているあなたを守る本。そして、子どもを守る責任を、社会や大人にも気付かせてくれます。山崎聡一郎 著
伊藤ハムスター 絵
弘文堂2019年
8月
9784335357923
16歳の語り部私たちの住んでいるこの地で起きたこと。同じ悲しみが二度と繰り返されないよう、”あの日”と向き合い言葉を紡ぐ高校生からのメッセージ。雁部那由多
津田穂乃果
相澤朱音 語り部
佐藤敏郎 案内役
ポプラ社2016年
2月
9784591148228

まとめ

大場さんは学校の教育計画の重点目標から次の3つを挙げ、学校図書館経営の指針としている。

  1. 全校朝の読書の徹底と図書館の積極的活用の工夫
  2. 自主的・自発的に行動できる生徒の育成と、確かなコミュニケーションづくり
  3. 主体的活動の場の設定と充実感や達成感を味わえる、活気ある学校づくり

朝の読書が重点目標として位置づけられ、それが自主・自立、主体性、コミュニケーションづくりへと発展するように行われている学校図書館経営である。生徒の育成をすべての教職員であたる「チーム松山」の一翼としての居心地のよいアットホームな図書館だからこそできる、きめの細かい支援と自由さが生徒たちを育んでいる。

編集後記

松山高等学校は、地元に就職をしていく卒業生を輩出していることからも、旧松山町にとって唯一の重要な存在であり、高校生が学校のみならず町の人びとにも育てられていくことを大事にしてきたと徳能校長先生は語って下さった。「家庭科の教諭は一人職のことが多い。学校司書もそう。やりたいことを実現していくのは並大抵のことではない。実は校長も一人なんですよ。」という校長先生は学校図書館のよき理解者であり、取材に同行していただいた神代浩氏に「これぞ本当の学校図書館長」と何度も言わしめた。徳能校長先生の教育へのチャレンジが、大場さんの図書館が教育の場であろうとするチャレンジとリンクしている。小さいがゆえにコレクションは選び抜かれている。生徒のいない土曜日の訪問ではあったが彼等の気配をそこここに感じることができた。信頼と充実の空間、隅々まで手の入った活き活きとした学校図書館であった。生徒にとって、こんなに温かみのある図書館が常に出入りする昇降口のすぐそばにあり、いつも行き来できる場所にあるという、なんという幸せ。
【追記】
新コロナウイルス感染対策で3月から臨時休業になっていた松山高等学校は、新年度4月8日に2、3年生の登校があり、放送による新任式と始業式が行われた。休み中に本を買い過ぎたという生徒もいたという教員からの報告が大場司書にも入った。生徒指導部が今後も続く休業中の過ごし方の放送で、図書館の冊数無制限貸出を案内してくれた。ふだん図書館には現れない生徒たちも寄ってくれて、「これ読みてぇ。」と本を借りていった。「チーム松山」の教職員に愛される生徒たちの登校時の様子をお聞きした。

中山美由紀