鳥取県 鳥取大学付属特別支援学校

鳥取大学付属特別支援学校 外観

所在地:〒680-0947 鳥取市湖山町西2丁目149
電話:0857-28-6340
E-mail:shien@fuzoku.tottori-u.ac.jp
HP:http://special.main.jp/html/htdocs/
児童数:44名 学級数:9学級 教職員数:32名
学校図書館司書:1名 (平成27年 現在)

教育目標

楽しい学校生活の中で、自分づくりを基盤として、一人一人の力を精一杯伸ばし、働くことに喜びを持ち、社会の一員として豊かに生きる人間を育成する(一人一人の達成感・充実感、自信、面白感、好奇心、意欲を高める。)

めざす児童生徒像『豊かな心を持ち、生活を楽しむ子』

図書館の特徴

図書基本情報

鳥取大学付属特別支援学校 蔵書数、貸出冊数

蔵書冊数は、H27年度末現在で3,751冊、他に紙芝居、パネルシアター、大型絵本、雑誌 新聞、LLブック(やさしく読める本)等のバリアフリー資料を収集・保存している。
H25年度の校舎改修に伴い、学校図書館も2階から、1階の玄関を入ってすぐ右の児童生徒がアクセスしやすい場所 に移転し、木の温もりのある素敵な図書館にリニューアルした。
広さは70平方メートルで以前の1.5倍、司書室もあり、司書室や図書館の窓はおしゃれな丸窓になっている。児童生徒がリラックスして本を読めるように、中央には、カーペット敷きのコーナー も設け、吊り下げ型のプロジェクターと大型スクリーンも設置されている。

鳥取大学付属特別支援学校 館内
鳥取大学付属特別支援学校 図書室

附属学校部(附属小学校・中学校・幼稚園)の図書館とネットワーク化されており、図書管理システムも導入して、バーコードによる貸し出し、返却を行っている。

H26年12月には、図書館に隣接してワーキングルームを開館した。パソコン4台、マルチメディアDAISY図書153本(372タイトル)DVD78本を配架し、活字のみでは読書が難しい児童生徒のための読書スペース、DVD等を視聴できる余暇スペース、インターネットを活用して調べ学習ができる学習スペース、個別の空間で、落ち着いて読書をしたい児童生徒のためのスペースして使用している。

インタビュー

鳥取大学付属特別支援学校 副校長
取材に対応していただいた
加賀田保憲 副校長
鳥取大学付属特別支援学校 司書教諭児島さんと学校司書入川さん
取材に対応していただいた
司書教諭の児島陽子さんと学校司書の入川加代子さん
鳥取県立図書館支援協力課 小林隆志 課長

取材に対応していただいた
鳥取県立図書館支援協力課 小林隆志 課長

(進行:図書館サービス向上委員会委員長 山崎)

今回は、特別支援学校の紹介になります。特別支援学校の図書館を訪問して、ここまで整備された特別支援学校の図書館はあまりないと思いますが、方針とか理念とかがあったらお聞きしたい。

(敬称略)

【児 島】

図書館教育は、本校の重点目標の一つになっていて、学校図書館を活用し、「読書を通して、いろいろな文章や素敵なお話と出会って、その楽しさを味わい、心豊かに過ごして欲しい。」「様々な情報を取り入れて、知的好奇心を膨らませ、知る喜びを味わって欲しい。」また、「得た知識を生活の中で活かしていって欲しい。」と考えています。
学校図書館は、「心と言葉を育てる読書センター」「教育課程の展開に寄与する学習センター」「情報活用能力を育てる情報センター」としての機能が求められていますが、障害のある子どもたちにとっても、学校図書館がそういう場所でありたいという願いを持って取り組んでいます。

カリキュラム(年間活用計画)について

決まったカリキュラムがあるんですか?~に沿った選書方法とか。

【児 島】

知的障害特別支援学校では、普通の小学校、中学校のように一律の教科書を使いません。子どもたちの実態に応じて、教師が学習内容を設定しますので、毎年、同じ学習内容になるとは限りませんが一応、学校図書館年間活用計画を作成しています。

先生の負担が結構大変ですね。でも子供たちの状況は違いますから一緒にはできないですね。

【児 島】

そうなんです。ですから年度の終わりには、各学部で見直してもらって、次の年の年間活用計画を作成するようにしていて、大体その計画に沿って学習するのですが、教科書がないので…。
例えば 「公共図書館を使おう」という授業をするのに何か資料がいりますよね。そうしたらその資料を準備する必要があります。今までは、学校図書館とか学校司書がいなかったら、先生たちは土日に図書館に出かけたり、本屋さんに行って買ったりしていたわけです。
でも本校では図書館が授業に使う資料を準備してくれるということを先生方も知っておられるので、授業の前になるとレファレンスがあって、学校司書が授業に使う資料を準備しています。

計画に示されていれば、図書館もサポートしやすいですね。

【入 川】

授業に使う資料を準備するのに、本校の蔵書をジャンル別に見ると、すごく欠落しているというか、ここのジャンルが全然ないぞみたいな本が結構あるんです。予算が厳しいので。抜け落ちているなという分野は、なるべく重点的に買っていくようにはしています。

そんな時県立図書館がバックにいるのはいいですね。

県立図書館からの支援について

県立図書館から借りた資料

【児 島】

鳥取県立図書館には、普段からお世話になっています。本校は蔵書冊数が、約3,700冊と少ないので、子どもたちや先生方のいろいろなリクエストやレファレンスにとても応えることはできません。幸いにも本校には、学校司書がいるので窓口になってもらい、県立図書館からたくさんの資料を借りています。また、県立図書館の研修講座の中に、障害者サービスについての研修も入れてもらっています。

【入 川】

県立図書館、市立中央図書館の両方と連携をしていて、とても有り難いです。うちの学校は鳥取大学附属の学校なので、県立と市立の搬送便でいったん鳥取大学附属図書館に資料が送られてきて、鳥取大学附属図書館から学内便で本校に資料が送られてきます。

それは便利ですね。特別支援学校って大学の図書館は支援しにくいですから。やっぱりそこにある市町村の図書館とか県立図書館がしっかりサポートしないといけないんですね。
図書館は能力に応じていろいろな資料を提供できるので、そこが良いところです。特別支援学校での図書館の有用性は高いと思いますが、予算も少ないですね。ちょっとアピールが足りないんでしょうか?

【児 島】

もうちょっとアピールしても良いですよね。そのためには、特別支援学校の中にいる人が訴えていかないといけないです。いくら特別支援学校外にいる人が何とかしようと思っても、中にいる人が必要だと言わないと説得力が無いんですね。そのためには実践を積んでいかないとアピールできないのですが・・・。なんでもいいんです。少しでもできるところから始めて発信していくことが大切です。外部との連携も必要です。

連携と自分たちで出来ること。この二つがキーですね。
他にはなにか工夫されていることはありますか。
資料の集め方とか?小学部、中学部、高等部とあり、しかも支援のレベルも色々違うと思いますが、どうなのでしょうか。

【入 川】

そうですね、本校には小学部から専攻科まであるじゃないですか。そうしたら本の種類もたくさんないと、小学部にはこれ、中学部にはこれ、高等部にはこれ等、そこは結構段階を追って揃えるようにしています。その中でもさらに分かりやすいかどうかを、中身をみてから選書しています。

あらかじめ子供の顔を少し想定されてから買っているということですか?

【入 川】

そうですね、なんとなくこれだったらいけるかもしれないとか、学習の本とは違う読み物とかもあの子とこの子は車関係が好きだとか、電車が好きだとか、そういったことも一応頭に入れて選書しています。

普段図書館の中にいらっしゃってこそ、そういう嗜好とかも見ているから選べるんですね。

鳥取大学付属特別支援学校 絵本