岩手県 盛岡市立城東中学校
思わず本を手に取りたくなる、素敵な図書室

所在地:〒020-0805 盛岡市東新庄1-30-1
電話 :019-624-1524
設立 :1962年(昭和37年)4月
児童数:221名 学級数 8学級 教職員数 16名
学校司書:1名(他の一校と兼務)(平成28年3月8日現在)
教育目標

学校教育目標:
・常に希望に燃えたくましく生きる自主的精神に満ちた生徒
・艱難に耐え自己の責任を厳しく課す生徒
・他人の立場に立って考え皆と協力できる生徒
・強健な身体で人間性の薫り高い情操豊かな生徒
・知性に輝き未来の創造に努める科学的態度の生徒
校訓:厳しき自己を鍛えなん
右から順番に、野里先生(図書担当教諭)、図書ボランティアのお二人、岡本さん(学校司書)
図書館基本情報

特徴
読書推進活動(学びフェスト)
生徒会活動の4大文化の一つとして朝読書を推進。学びフェストで「月平均2冊本を読もう」を掲げ毎日の朝読書を実施している。学級文庫や図書室におすすめの本を整備し自発的に本を選んで読めるような呼びかけを実施。
目標達成9割以上の目標を掲げている。読書率は上がっているが全体での目標達成はなかなか難しい。1年生はよく本を借りるが、学年が上がるにつれて減る傾向。
毎年、図書委員会が新入生に図書室利用方法のオリエンテーションを実施し、どうやって借りるか、何処にどんな本があるかなどの案内を行っている。
授業での図書室利用
国語、理科、総合のカリキュラムに図書室を利用する授業があり、調べ学習や並行読書で図書室を活用している。
国語では、図書館の使い方や図書館を使っての調べ学習を実施。
国語、理科では、図書室の本を使ってのレポート作成を実施。
理科の例):調べたいテーマを決めて図書室の本を使ってレポートにまとめる
テーマ:新素材について、森林の利用について、エネルギーについて etc
うまく探せない生徒や、本が足りない場合などには、学校司書が直接レファレンスし、「あの辺にあるかもよ」とか、「他の本にも同じような記述があるよ」等のヒントを示している。調べ学習でも図書室を活用できるようになることを目指している。
授業が終わった後に、本が足りなかったなとか、もう少しこういう本があったらよかったという本は多々ある。学校司書から図書担当教諭に相談し、次回の書籍購入時の選書に活かしている。
支える人たち
平成25年度に読書活動推進員が配置された。10月に新校舎に変わった際に、推進員と保護者で新校舎への配架を実施。
26年度は推進員が無くなり担当の図書担当教諭(野里先生)だけとなったが、担当一人では何百冊もの本の整理は難しく、この年から本格的な図書ボランティア活動が立ちあがった。図書ボランティアが新刊や季節ごとの本の紹介や整理を行っている。図書ボランティアは小学校でも活動しており、中学校での活動はまだ始まったばかりだが、月2日ペースで活動している。
27年度から学校司書が配置。岡本さんが市内の他校と掛け持ちで1週おきに来てくれている。
図書担当教諭、学校司書、図書ボランテイアが協力し、子どもたちの利用しやすい図書室の環境を整備。学校司書、図書ボランティアが様々な企画を考え、図書担当教諭と連携し読書推進活動が活性化している。
図書室の環境
とても明るい雰囲気の図書室だが、生徒が入りやすいような展示や掲示を工夫している。司書がいる時間は空けているが、いない時はカギを開け、昼の放送で案内し図書委員が昼休みの貸出などの対応を行っている。
装飾やコーナーがたくさんあり、とても楽しい図書室となっている。図書担当教諭が図書ボランティアと一緒に環境整備を行っている。
書棚の空いているスペースに学校司書や図書委員のおすすめの本を選んでポップをつけている。中学生はドラマ化されたり映画化されたりした本に食いつきが良いので、そういう本をチェックし配架を変えたりしている。
ボランティアが季節ごとなどに掲示や装飾を作成し変えている。(猫バス、宮沢賢治の猫、雪だるまなどかわいいものがたくさん)。
季節の本の紹介展示は図書委員会が行っている。
図書室紹介

生徒が入りやすいように工夫。

図書室の入り口脇に学級ごとの読書達成率を掲示。

生徒が入りやすいように工夫。

図書室に入るとすぐ正面に書店のようなきれいな展示があり、ポップが興味を引く。

おすすめの本がテーマごとにわかりやすく配架されている。
掲示とポップがたくさんで本を手に取りたくなる。

入口近くにおすすめの本がわかりやすく配架されている。
興味を引くポップがたくさん
各書棚には、図書ボランティアや図書委員会が作成した楽しいポップがいっぱい。






図書ボランティアが作成したかわいい装飾が楽しい。

岩手ゆかりの先人たちのことをくわしく知ることが出来るコーナー
読書のススメ
図書委員が作成したおすすめ本の小冊子。図書委員長が発案。




1年生の国語の授業で読み聞かせ会を実施。
生徒の反応は良く、真剣に聞いてくれたそうで、その後、図書室に来る生徒が増えたとのこと。

図書室以外に、学級文庫などにもおすすめの本を選んで配置している。

城東中学校からのお勧め本
No | 図書名 | 著作者 | レコメンド | 主な対象学年 |
---|---|---|---|---|
1 | 学研まんが日本の古典 | 古典学習の導入として、竹取物語や平家物語といった授業で扱う作品を 学級文庫において気軽に読めるようにしている。 | 全学年 | |
2 | 世界人物逸話大事典 | 課題解決の資料として活用している。 | 2、3年生 | |
3 | 宇宙は何でできているのか | 村山 斉 | 並行読書に使用している。 | 3年生 |
取材後記
中学生になると小学生に比べ極端に読書率が下がり、生徒は勉強や部活に忙しいので、図書室の利用はあまりされていないだろうと考えていた。しかし、城東中学校を訪問し驚いたのは、図書担当教諭、学校司書、ボランティアの方々の連携が素晴らしく、学校全体で読書推進と図書室の活用に取り組んでいる姿でした。
図書室の外も中も、工夫された掲示や展示がいっぱいで、つい本を手に取って見たくなるとても楽しい図書室でした。また、開館したとたんに生徒がたくさん入って来て、本を手に取りすぐ読みだす姿に2度びっくり。
取材に丁寧に対応して頂いた、野里先生、岡本さん、ボランティアスタッフのみなさんに感謝すると共に、活動の様子や生徒の反応など、とても生き生きと説明して下さる姿に志を感じ感動しました。これからも更に取り組みが活性化することを祈ります。(本間)