八戸市教育委員会 ―学校図書館支援事業―
学校図書館支援事業に取組む根城小学校を訪問。その状況を伺った。
八戸市立根城小学校
本気でがんばる子の育成をめざして

所在地:〒039-1166 青森県八戸市根城四丁目22-27
電話 :0178-22-0248,0178-43-5128
FAX :0178-71-1376
E-mail:nejyo_e@hec.hachinohe.ed.jp
HP:http://www.hachinohe.ed.jp/nejyo_e/index.html
設立: 1876年(明治9年)5月15日
児童数:503名 学級数:19学級 教職員数:33名
学校司書1名(根城中学校、新井田小学校と兼務)
(平成29年2月27現在)
学校長インタビュー

対応いただいた校長
今井 裕一 様
― 図書館はどのような方針で活用されていますか。
【校 長】
学校目標の重点施策として「わかる授業の日常化」「家庭学習の工夫」「読書活動の推進」を掲げて取り組んでいます。学校では廊下にも本を置いておりますし、休み時間には気軽に図書館を訪れて読書に親しむ、そしてさまざまなコミュニケーションを行う場としての図書館を目指しています。
学校では図書館の運営計画を立てており、先生方とコミュニケーションを図りながらその利用を働きかけ、自由に貸出が行える図書館にしていきたいと考えています。特に子どもたちには「伝記」にふれてほしい。伝記は「人の生きざまにふれる」ことにつながります。
― 今年度から希望校に学校司書が派遣されています。学校司書へどのような期待をされていますか。
【校 長】
子どもたちにとって図書館は「行くことが楽しい、使いやすい」が大切です。学校では図書ボランティアの皆さん(15名~20名)に環境整備を行っていただいておりますが、学校司書さんからは相談や専門的なアドバイスがあり、図書ボランティアの皆さんの「活動のよりどころ・励み」になっています。司書教諭だけでは限界がありますので、司書教諭と学校司書さん、図書ボランティアの皆さんで良くコミュケーションをとりながら、図書館の整備を進めています。すでに図書館を利用する子どもの数は、前年に比べて倍増していますし、司書教諭の多忙感も確実に軽減されています。学校司書の派遣は来年度以降も是非、続けてほしいと思います。
図書館の統計データ

⑦標準図書数:文部科学省の定めた学校図書館図書標準。10360+200×(学級数-18)
⑪全国学校図書館調査の学校図書館用図書平均単価(平成26年度小学校1775円)
(注1)充足率⑧:学校図書館図書標準冊数(文科省)による根城小学校の蔵書数は10560冊で実際の蔵書数は8812冊である。図書館整備が進められているが、除籍(廃棄)を適切に行いながら、蔵書を充実していくこと必要と思われる。
(注2)読書量⑩:全国学校図書館協会の調べによると、多読月である5月を単月で調査。全国平均11.2冊である。(雑誌やマンガも含む)。年間56冊は良く読まれている。
図書館のシーン
学校司書を派遣し、本格的に図書館整備を始めて10か月。まだ、整備中の書架もあるが、急速に図書館の環境が変わってきている。図書館ボランティアの皆さんの熱心さが伝わってくる。








取材後記
学校図書館は、学校長や司書教諭・学校司書の先生方、学校を支援する公立図書館、教育行政を推進する教育委員会、そして図書館ボランティアで支えられている。根城小学校では多くの図書館ボランティアが活躍している。取材の日は10人ほどが集まり、図書館の壁面にきれいな掲示物を貼る作業を行っていた。都市部の学校では図書館ボランティアさんのパワーがすごい。「子どもたちに少しでも良い環境を」との保護者の気持ちが感じ取れる。今後、学校司書の活動を継続・拡大し、市内全ての小・中学校で図書館ボランティアとコラボの輪を広げてほしい。学校図書館は劇的に変わる!
(菅原)